2015年7月3日金曜日

馬毛島入会権裁判、最高裁でも勝訴!

朗報です。
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馬毛島入会権確認訴訟(上告審)、原告(被上告人)が勝訴しました(6月30日の最高裁決定)。

10数年の長きに亘る裁判闘争が、原告勝訴という形で帰結しました。

まずはお知らせまで


27年7月3日
馬毛島を守る入会支援団世話人 佐藤喜一郎
沖縄大学地域研究所特別研究員 牧洋一郎
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福岡高裁での文句の言いようのない(入会権の存続を認める)勝訴(2014年10月22日判決)から8ヶ月。原告の労苦を長引かせるだけの(馬毛島開発側の)上告に対し、最高裁は、「理由の不備・食違いをいうが,その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張する
もの」として門前払い。実質的に高裁判決が支持された。

メディアのみなさんにはぜひ、この重い事実(全国の里山・里海・里川の保全にも一石を投じる)を広く知らしめていただきたいと思います。
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裁判官全員一致の意見で,次のとおり決定。

第1 主文
1 本件上告を棄却する。
2 上告費用は(略)上告人らの負担とする。

第2 理由
民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは民訴法312 条1 項又は2 項所定の場合に限られるところ,本件上告の理由は,理由の不備・食違いをいうが,その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって,明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。
平成2 7 年6 月 3 0 日
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関連文献
http://hamada.u-shimane.ac.jp/research/32kiyou/10sogo/seisaku10.data/seisaku1006.pdf

2014年10月25日土曜日

牧さんの論考


馬毛島入会権訴訟をずっとフォロー・原告支援しつづけてこられた牧洋一郎氏から、入会権と裁判に関する論考をご提供いただきました。二つあわせて読むと訴訟の流れや入会権の考え方が大変わかりやすく、お勧めです

牧(2014)馬毛島入会権確認訴訟−鹿地裁平成 26 年 2 月 18 日判決の問題点
:2次訴訟(今回最高裁で勝訴したもの)の地裁判決の不十分さ)に関する論考

牧(2010)開発と地域住民―馬毛島浦持入会地裁判を中心として―
:1次入会権訴訟と馬毛島の「浦」制度に関する解説・論考

2014年10月24日金曜日

馬毛島入会権訴訟で入会権主張側漁師さん勝訴!!

結審してから一年近く、ついに馬毛島入会権訴訟で、入会権の存在(≒共有地切り売りの無効)を訴えていた種子島・塰泊(馬毛島一番の港=葉山を千年管理してきた集落)の漁師さんたちが勝訴!
 あまりに時間がかかり、しかも相手(被告)にはあのタストンエアポート(旧馬毛島開発、馬毛島の森を丸裸にし、違法に「滑走路」=馬毛島クロスを作った外部企業)が含まれているものの、基本的におなじ集落内での訴訟事件ゆえに非常に重い12年間(通算)でした。
 米軍基地(FCLP)誘致の噂話もかき消え、地元鹿児島でさえも関心が薄れていたのですが、見事な勝訴となりました。
 ポイントは、タストンの開発に不可欠で、すでに一部を買い取り・開発している馬毛島・葉山の「入会地」の入会権がすでに消滅している(それゆえ切り売りが有効)とするタストン側の主張に対し、入会権の有効性を認めたこと。一部の人が共有地を利用しなくなったり全体として利用度が下がっても、入会権(入会地)ものが消滅したわけでないとする判決は本当に合理的かつ納得のいくものです。
 今後の環境保全や地域歴史文化の保全にどれだけの影響を及ぼすかと考えても、この判決の意義はきわめて大きいでしょう。
 地元
塰泊の漁師さんたちのこれまでのご苦労を少しでもぬぐうためにも、この判決を礎に、今後どのように馬毛島の環境・生態系を取り戻してゆくのか、しっかり考えねばなりません。違法開発部分の環境・生態系を極力すみやかに復元し、漁業への悪影響を軽減しつつ、葉山など馬毛島の共有地やタストン以外の公有地や私有地の活用を考えることで、馬毛島の歴史と自然の再評価を急ぐべきでしょう。
 まずは、漁師さんたちと関係者のみなさんの多大なるご苦労に感謝いたします。

2013年12月14日土曜日

馬毛島入会権裁判判決は2月!

馬毛島入会権裁判が結審したとの連絡が届きました。
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先日、ご連絡しました通り、11月25日に、馬毛島入会権確認の裁判が、鹿児島地裁にて行われました。次回(来年)は、いよいよ判決言い渡しとなります(判決言い渡し日:2014年2月18日午後1時10分)。

拙論「軍事基地問題に翻弄される馬毛島」を沖大地域研紀要(地域研究12号9月)に掲載させてもらいました。第2次馬毛島入会権確認訴訟の一連の記録です。抜刷が手元にまだ5~6冊残っております。希望される方には、郵送させていただきたく存じます。

 2013年12月5日
沖大地域研特別研究員 牧洋一郎
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2013年10月20日日曜日

馬毛島入会権裁判,次回結審!

鹿児島地裁で行われているいわゆる「馬毛島入会権裁判」の最新報告が届きました。
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10月15日午後3時より、馬毛島の入会権確認の裁判が、鹿児島地裁にて行われました。 同14日に原・被告双方の弁護人から最終的な証拠書類等が提出され、裁判終了後、原告弁護人から、更に準備書面が提出されました。新たなる主張等がなければ、次回いよいよ結審となる予定です。

    次回の裁判 :2013年11月25日 午後3時~ 

馬毛島の漁業や自然環境を守らんがため、原告住民への御支援を引き続きお願い申し上げます。 

2013年10月17日 
馬毛島を守る入会支援団世話人 佐藤喜一郎
沖縄大学地域研究所特別研究員 牧洋一郎                
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2013年9月12日木曜日

「熊毛地域の概況」に馬毛島の現状記載


鹿児島県熊毛支庁が毎年制作している「熊毛地域の概況」は,熊毛各島(馬毛島,種子島,口之永良部島,屋久島)の状況が多面的かつコンパクトにまとめられており,とてもいい資料です(各章がpdfで公開されていて利用もしやすいです)。
http://www.pref.kagoshima.jp/ap01/chiiki/kumage/chiiki/h24kumagegaikyou.html

さすが地元で作っているだけあって?,いろいろと表現がリアル。
例えば1自然環境(5)優れた自然では・・
・「地形」の項の初っぱなに「馬毛島と周辺の海(西之表市)」が記され,「海中にはサンゴ,熱帯魚が群をなし,磯には貝類が多い」。
・「水生生物」の項には「馬毛島周辺の海藻類(西之表市)」があり,「300種以上の海藻が繁茂。黒潮の影響で亜熱帯性の海藻類が温帯性の海藻に混じり,新種・新産種が多数発見されている。」と説明されています。なんと客観的で的確な解説(^^;)。
・「動物」の項には「馬毛島のマゲシカ(西之表市)」が。ヤクシカ,ケラマジカと並んで最も小型のものといわれているというこれまた的確な記述(アドバイスしました(^^;))。さらに「平成24年8月28日,環境省が「絶滅のおそれのある地域個体群」に選定」という最新情報も入っています。

さらに加えて注目されるのは,先の「地形」の項の最後に,『開発で地形の改変が進んでいる。』との一文がH23年度版から加わったこと。もちろん客観的な事実であり,その是非には触れていませんが,しかし地元に問題意識がなければこのような記述はできません。担当部局の最新情報を県民・国民に知らせようとする客観的態度は立派だと思います。

追記)ちなみに元々「熊毛の概況」を制作していた鹿児島県の離島振興課は,今年度から「@kagoshima_ritou」を開設し,県の離島情報を流している。かなり面白い(^^;)。
https://twitter.com/kagoshima_ritou

2013年9月11日水曜日

馬毛島入会権裁判の現状

馬毛島入会権裁判について,原告(入会権主張)を支援する鹿児島の会からのレポート(2回分)です。共有入会権が存在したことは合意事項になりそうです。

それにしても被告側弁護団,”ああも言える”,”こうも言える”と,よくこれだけ主張を変えられるものです(学会なら完全に信用を無くしている)。原告側弁護団はほとんど手弁当。それに対して被告(馬毛島開発)側はのらりくらりと筋の通らない時間かせぎ(消耗戦)ばかり。以下,レポートです。
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■9月2日の報告
9月2日午後3時20分より、馬毛島の入会権確認の裁判が、鹿児島地裁にて行われました。
被告側弁護士から「主張変更」の準備書面が提出されました。「共有入会権(共同体規制に制約された共同所有権)は最初から存在していなかった」と当初の主張を変更し、「仮に存在したとしても…」という変更です。如何にも自信のない主張で、被告弁護人の入会権についての稚拙さを感じる主張でした。

 次回の裁判 :2013年10月15日 午後3時~

原告住民の方々は、10年以上という長期にわたる裁判を頑張っております。御支援を引き続きお願い申し上げます。

2013年9月6日
  馬毛島を守る入会支援団世話人 佐藤喜一郎
  沖縄大学地域研究所特別研究員 牧洋一郎    
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■7月16日の報告
本日7月16日、馬毛島の入会権確認の裁判が、鹿児島地裁にて行われました。
被告側弁護士から準備書面が提出されました。
被告は、「共有入会権(共同体規制に制約された共同所有権)は最初から存在していなかった」と当初、主張していましたが、今回は、「かつては入会地であったが、現在は通常の共有地(分割自由な民法上の共同所有地)である」と矛盾する主張をしました。
裁判長から、「主張の変更ですか」という確認に対し、被告側弁護士は何も答えませんでした。よって、裁判長より8月23日までに返答することが求められることになりました。被告弁護人の入会権についての稚拙さを感じる次第でした。

 次回の裁判 :2013年9月2日 午後3時~

原告住民の方々は、困難にも負けず頑張っております。御支援を引き続きお願い申し上げます。  

 馬毛島を守る入会支援団世話人 佐藤喜一郎
 沖縄大学地域研究所特別研究員 牧洋一郎
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[おわび]
本記事中,被告側弁護団について,”被告弁護団は高額の報酬をもらってこの”仕事”ぶり”と記しましたが,これは被告が関わった別の裁判の弁護団に関する記述であり,2つの裁判を混同していたものでしたので,お詫びして訂正します。本裁判をレポートしてくださっている牧さまから”今回は、被告弁護人が高額の報酬を受け取っているとは考えられません”とのご指摘をいただきました,佐藤さま,牧さまにもお詫びし訂正させていただきます。